第二十七章

三月の気候はようやく緩みはじめ、空気の中には春の気配がほのかに混じっていた。

医療学会から戻って以来、私は研究資料の整理に取り憑かれたようになっていた。何ひとつ欠けていないことを確かめるため、何度も何度も確認を繰り返した。

おそらく百回目にも思える見直しを終えたあと、私はようやくその分厚いファイルを研究グループの責任者、バイオレット・ペレス医師に手渡した。

バイオレットはページをぱらぱらとめくり、私が几帳面にまとめたメモや注釈つきの研究論文に目を走らせた。そして顔を上げると、ふっと笑みを浮かべ、そのまま会議室に集まっていたチーム全員に向き直った。

「みなさん、私たちに必要なのはまさにこ...

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